
谷口たかひさです。
大学はイギリスへ留学していました(ラムネのビンを拾ってお金を貯めました。ウソです。オークション代行業をやってお金を貯めました)。

その時、ドイツや北欧を含む、ヨーロッパの国々を周り、たくさんの人たちと会って話をする中で、その人たちと自分との環境問題に対する知識、意識の差にショックを受け、その差がどこから来るのか?を確かめたくて、ドイツに移住、起業しました。
話は変わりますが、「気候危機(Climate Crisis)」という言葉をご存知でしょうか。
「気候変動(Climate Change)」や「地球温暖化(Global Warming)」といった方がピンとくる方も多いと思います。
僕も学生の頃は、「地球温暖化」と教わりました。
違いを簡単に説明すると(NASAの定義)、、、
「地球温暖化」は、文字通り化石燃料の利用などが原因で、「地球の気温が上昇する」現象です。
これに対して、「気候変動」は、主な原因は同じですが、より広い現象を意味します。
例えば、グリーンランドなど世界各地の「氷が溶ける」ことや、氷が溶けることによる「海面上昇」。
日本やアメリカ、フィリピンをおそう竜巻や台風などの「異常気象」や、「寒波」なども含みます(全体的な地球の温度は上昇しますが、グリーンランドなどの氷が溶けて熱の流れが変わることにより、ヨーロッパなどは「寒冷化」するという説もあります)。

「気候危機」という言葉はというと、イギリスのガーディアン新聞が、今すぐに大規模な行動をとる必要がある、という理由から「気候変動」に代えて、2019年から使い始めた言葉です。
その考え方に賛成なので、僕も「気候危機」という言葉を使うようにしています。
問題に大小を付けるのはあまり好きではないですが、僕は気候危機は、人類がこれまでに直面した問題の中で、最も深刻なものの一つだと思っています。
「取り返しがつかない」からです。
僕は人間の一番素敵なところは、「成長できる」ところだと思います。
過去の失敗から学び、少しずつ成長を繰り返すことで、世界はより良い場所になってきています。
自然災害で命を落とす人はこの100年で約半分になり、極度の貧困にある人の割合はこの20年で約半分になったそうです。
今や、世界の平均寿命は70歳を超え、世界の80%の人がいくらかでも電気を使えるそうです。
(『FACTFULNESS』という本から学んだ情報です。ハンス・ロスリングさんというスウェーデンの医師/公衆衛生学者と、その息子さん夫婦が3人で書いた本です。最近読んだ本の中で、一番学ぶことの多かった本です。マイクロソフト創業者のビル・ゲイツが、2018年の、アメリカの大学卒業者のうち、希望者全員にプレゼントしたことでも知られています)
これからも人間は失敗と成長を繰り返し、世界は今よりももっと良い場所になっていくと信じています。
ですが、人間が今のまま化石燃料を使い、牛を増やし、プラスチックを使い続け、気候危機を止めれないと、そうも言っていられなくなる、とも思っています。
※牛やプラスチックと気候危機の関係は追って書きます。
IPCC(国際的な専門家による、地球温暖化についての科学的な研究のための政府間機構)によると、工業化から現在までに、地球の気温は約1℃上昇し、2100年までには6.4℃上昇する可能性があるとされています。

現在までの約1℃の上昇で、日本でも、台風の規模、数ともに増え続けています。アメリカでは、晴れの日に海面上昇による洪水や、死者が出るほどの竜巻も増加。インドでは、1日の内に半年分の雨が降り、作物が全滅、飢餓の人の数が増加するなど、とても大きな被害が出ています。
これがこの先2℃、3℃と上昇を続け、6℃まで上がると一体どうなるのでしょうか。
イギリスのインディペンデント新聞によると(※あくまで一説)、、、
2℃以上の上昇では、アメリカで砂漠化が進み、その地では農業や牧畜が消滅。氷河が減り、1千万人が水不足に。サンゴ礁が実質消滅。
3℃以上の上昇では、北極に氷の無い状態ができ、海面上昇や砂漠化の影響で、数千万が立ち退きを余儀なくされる状況に。
4℃以上の上昇では、シベリアの永久凍土が溶け、膨大な量のメタンを放出することで、気温の上昇を更に加速。海面上昇がバングラデシュや上海にも及び、1億人が立ち退きを余儀なくされる。ヨーロッパでも大規模な人の移動が起こり、自然生物の半分が絶滅。
5℃以上の上昇では、地球全体から氷がなくなり、人々は高温地帯を避け、北欧に押し掛ける。世界の食料供給は壊滅状態。
6℃以上の上昇では、海は酸素を失って停滞し、猛毒の硫化水素ガスを放出してオゾン層を破壊する。想像もつかないようなハリケーンが地球を周回し、人類は、極地に逃れて生き延びたわずかな数に減る。ほとんどの生命は吹き消されてしまう。

だそうです。
SF映画のような話ですが、世界中の専門家のほとんどが(多少のバラつきはありますが)、人類にとっても地球にとっても、相当の危機となるとしています。
この人をご存知でしょうか。
グレタ・トゥーンベリさんといいます。
スウェーデン出身で、15歳だった2018年の8月に、気候危機を阻止する為の学校ストライキをスウェーデン議会の前で開始。
その活動が世界中から注目を浴び、2019年3月の時点で100ヵ国以上で、140万人に上る人たちがストライキに参加しています。
国連や世界経済フォーラム、TEDでのスピーチの他、ローマ法王やオバマ元大統領とも会見し、2019年4月にはイギリス議会でスピーチ。
イギリス議会はそのスピーチを追う形で、2019年5月に気候非常事態を宣言しました(自治体単位ではヨーロッパ・北米・オーストラリアを中心に8ヵ国、500を超える自治体が宣言していますが、国家単位ではイギリスが初となります)。
この宣言の目的は、文明、経済、生態系などを守るために社会全体の力を、十分な規模で急いで結集させることです。
具体的な対策などはまだまだこれから決めるところだと思いますが、危機を止める第一歩は、危機を危機として認識することだと思いますので、イギリスほどの大国がこれを行った事は、大きな一歩だと思います。
世の中が急激に変化しようとしていますね。
自分の次やその次の世代に胸を張れる人間である為に、何を成すか…。
自分の子供の世代や、孫の世代に、「どうしてまだ間に合ううちにどうにかしてくれなかったの?」と聞かれて、何も言えない大人にはなりたくないですね。
僕たちが、この危機の影響を受ける最初の世代で、止めることのできる最後の世代かも知れません。
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