チェルノブイリ原発事故現場に行ってきました(政府認可機関同行のもと)

  • 2019-07-16
  • 2019-08-09
  • 教育
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谷口たかひさです。チェルノブイリ原発事故現場に、政府認可機関同行のもと、行ってきました。

 

 

先にいくつか言わせてください。

 

 

①チェルノブイリについて、様々な情報が流れています。
私も色々見たり聞いたりしてきましたが、今回はせっかくなので、(メディアも引用しますが)現地で聞いたことを中心にご紹介します。

 

②この記事では、原発に賛成だ、反対だ、という話をしたいのではないです
両方の意見があることは理解していますし、今回、より学びました。ただ、様々な角度から、「何が起きたのか」を伝えていくことは重要だと強く思います。

 

③今回、ウクライナ政府認可機関同行のもと、危険は避けて視察しました。
受けた放射線の量は飛行機に1時間乗ったものと同程度」という証明書も頂いていますので、皆さん、どうか怖がらず、これからも仲良くしてください

 

 

 

ドイツから、

飛行機を乗り継ぐこと約6時間、

寝台車にゆられること約8時間、

バスに振り回されること約3時間、

チェルノブイリ原発事故現場に行ってきました。

 

実際に自分の目で見て、耳で聞かないと気がすまない、好奇心旺盛な性格が災い(幸い?)して、訪れた国は50にのぼりますが、寝台車に乗るのは初めてです。

 

寝台車に乗るのは夢でした。

国語の教科書かなにかで読んだ小説に寝台車が出てきて、「いつか乗ってみたい」と、子ども心をつかんで離してくれなかった覚えがあります。

 

 

僕はこう見えてデリケートで、飛行機とかでは絶対に寝れないタイプなので、寝て起きたら目的地に着いているなんて夢のようです(^^)

 

…。

 

…。

 

…。

 

まったく寝れません。

 

 

電車のレールというのは、でこぼこ道と違い、真っ直ぐなものだと思うのですが、

やたらと、上下に頭が揺り動されて、眠るどころではありません。

 

レールがどうなっているのか… 見るのが怖いくらいに上下にゆれます。

 

 

バスでは、チェルノブイリについて、政府認可機関の方に色々と話を聞かせてもらい、結局、一睡もできないまま無事にチェルノブイリに到着。

 

 

まずは病院だった場所から視察。実際に撮った写真を貼りますね。

 

 

いきなりですがこの辺で、チェルノブイリ原発事故について、簡単におさらいしておきます。

 

 

チェルノブイリ原発事故

1986年、4月26日、午前1時23分、世界最悪の原子力発電所事故が発生。

 

4基あったチェルノブイリ原子炉のうち、1基が爆発しました。

 

これは、構造上の欠陥に加え、実験の失敗によるものであったとされています。

 

まず、すぐに対応にあたった作業員28人が、命を落としました。

 

 

これは今回、僕もはじめて知って、鳥肌がたったのですが…

 

すぐに対応にあたった人たちが、2次爆発を食い止めていなければ…

 

 

 

広島に投下された原子爆弾のおよそ10倍の威力で、

ヨーロッパの約半分が吹き飛ばされていた

 

 

 

…そうです。

 

 

そしてこの事故で、

 

放射線はというと、広島と長崎に投下された原子爆弾の、

少なくとも100倍の量が発生しました。

 

 

ヨーロッパ全土で、放射線量増加が検知されました。

 

こうしてヨーロッパの国々で放射線量の増加が検知されたにも関わらず、

ソ連(※ウクライナは当時ソ連)は事故について認めず、情報の隠ぺいに努め、それが結果として被害者を増やしたそうです。

 

 

チェルノブイリ原発事故が原因で亡くなる(亡くなった)人の数は、今でも様々な説があります。

 

国連の発表では、ガンで9,000人が亡くなるとされています。

 

国際環境NGOグリーンピースの予測はより深刻で、ガンで93,000人が、その他の病気も合わせて200,000人が亡くなるとされています。

 

最もあきらかなものは甲状腺ガンで、事故当時18歳以下だった子どもを中心に、4,000人の発症が確認されています。

 

国際環境NGOグリーンピースは、この数も60,000人にのぼっていく、としています。

 

 

事故のあった1986年から、あきらかに甲状腺ガンが増えていることが、上のグラフでわかります。

 

 

退去を余儀なくされた人の数は、350,000人にのぼるそうです。

 

 

 

…あらためて数字で振り返ると、とんでもない事故ですね。

 

 

 

それでは、視察の方にもどします。

 

 

まさに、絵にかいたようなゴーストタウンでした。

 

 

 

 

事故前の、学校の写真もありました。

 

 

その学校の体育館です。

 

 

事故前の、街の写真もありました。

 

 

本当に人が生活を営んでいたことがわかりますね。

約5万人の人たちが明るく暮らす、先進的な街だったそうです。

 

有名な、開園されることのなかった遊園地。

 

 

もし無事に開園されていれば、たくさんのカップルが、この観覧車のてっぺんでキスをしていたことでしょう。

 

 

子どもが遊んでいたと思われる人形も見つかりました(この写真は特に、撮る時怖かったです)。

 

 

他にも…

 

 

 

あげればキリが無いですが、とにかく凄まじい風景でした。

 

 

 

ここからは、同行頂いたウクライナ政府認可機関の方 (専門の試験などにも合格しているらしいです) から聞いた話を主に書きます。

 

 

 

さて、最初の写真で僕が持っているコレですが…

 

 

計測器ですね。シーベルトを計るものです。

 

シーベルトというのは、「放射線が人の体に与える影響の大きさ」を表す単位のことです。

 

 

シーベルトは、各国ごとに基準が定められるようで、ウクライナでは、

1時間あたり0.3マイクロシーベルト

(※マイクロはミリの1000分の1)

を下回っている場所は、住んでも安全だとしています。

 

これは、屋内だと数値が減ることが多いので、どれくらい屋外にいるかにもよりますが、

1年で約1ミリ~2.5ミリシーベルト

になるようです。

 

僕が手に持っているものは、写真で反転していてわかりにくいですが、

1時間あたり0.22マイクロシーベルト

となっているので、チェルノブイリ原発から半径30km圏内ですが、ウクライナ基準では住んでも安全とされている場所ですね。

 

 

ちなみに飛行機の機内は、

1時間あたり0.3~0.4マイクロシーベルト

で、ここより高い数値だそうです。

 

 

ウクライナでは現在、0.3マイクロシーベルトを上回る場所に住んでいる人が引っ越す場合や、そこに住み続けた人の健康に影響があった場合でも、特に政府からの保障はないそうです。

 

 

この国は貧しいから、と繰り返しおっしゃってました。

 

 

ウクライナ原発事故当初に被ばくした人たちも、病院代が無料という他は、特別大きな保障は無い、とおっしゃっていました。

 

 

 

現在もチェルノブイリ原発付近で作業を行っている人たちの被ばく量は、

年間約20ミリシーベルト

だそうですが、一般的な給与水準で、特別な保障はないそうです。

 

ちなみに、アメリカの原発作業員の被ばく量は、

年間約50ミリシーベルト

にのぼる場合もあり、

 

また宇宙飛行士では、

年間約80ミリシーベルト

にのぼる場合もある、とおっしゃっていました。

 

 

 

 

このチェルノブイリ原発事故という、歴史的な事故があったウクライナですが、

 

 

原発を増やしていく方針だそうです。

 

 

その理由は、主に以下でした(数人に聞きましたが、だいたい皆さん同じことをおっしゃっていました)。

 

 

①現在、エネルギーにおいて、石油、天然ガス資源の約7割をロシアに依存しているが、ロシアに依存し続けるのはとても怖い

 

②原発は化石燃料に比べて温室効果ガスを排出しない為、環境に良いと思う

 

③チェルノブイリ原発事故がトラウマになっている年輩の世代には、反対の人も多いけど、それについて、特段教育を受けているわけでもない若い世代は怖さを知らず、賛成する人が多いように思う。

 

 

①については勉強不足だったと思いました。

確かに、ウクライナとロシアの歴史を考えると、こういう風に考える人が多いことも理解できる気がしますし、そもそも私たちには理解しえない感覚が絶対にあると思います。

 

僕が、あくまでも個人的にですが、あまり良くないなと感じたのは、③の「若い世代が、起きたことに関する教育を特段受けていない」という部分です。

 

 

 

僕が今住んでいるドイツでは、義務教育で徹底してナチスの事を教わるそうです。

 

「二度と同じ過ちを繰り返さないように」

 

だそうです。

 

延々とナチスが行った事を放映する、子ども向けチャンネルもあるそうです。

 

 

 

最初に書いたように、僕はこの記事で、原発に賛成だ、反対だ、という話をしたいのではないです。

両方の意見がある、ということは理解しています。

 

ただ、様々な角度から、「なにが、どうして起きたのか」を伝えていくことは重要だ、と強く思っています。

 

 

 

これはあくまでも仮の話なのですが…

 

 

僕が今、生まれたばかりだとして、

 

過去に起きた原発事故の話を教わらないか、

もしくはねじ曲がった形で教わり、育って、

 

原発に賛成することになったとしましょう。

 

 

もし、その原発で大事故が起きたとして、大切な人を失うなことがあったなら…

 

 

きちんと教えてくれなかったり、ねじ曲がった形で教えた、

 

「前の世代」を一生うらむかも知れません…。

 

 

 

「知ったうえで、自分の意思で選ぶ」のと、「知らされないで、選ばなければならない」のでは、まったく意味が違うと思うのです。

 

 

戦争などに関しても、同じだと思います。

 

 

 

次の世代や、今の世代にも、「なにが、どうして起きたか」を伝えていける人でありたい、と強く思います。

 

 

 

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