谷口たかひさです。
2020年、まだ最初の月が始まったばかりですが、気候変動が原因(悪化させている)とされる異常気象が世界中をにぎわせてますね。
記事はコチラ:
- 巨大砂嵐、大粒ひょう、雷、豪雨、洪水…火災と共にオーストラリアを襲っているもの‐気候危機39
- イランで3日で1年分の雨、イスラエルでは76年の豪雨記録を更新、死者も多数‐気候危機40
- 【動画有】「今度はスペインで冬に嵐…」5階建てマンションの高さの波、13名死亡(行方不明者多数)‐気候危機43
さてこの気候変動、もちろんそれだけでは無いですが、
エネルギー(電気等)、移動(飛行機/車等)、畜産(肉/酪農等)などが大きな原因だとして問題になってきています。
今回はこのうち、エネルギーに関して書きたいと思います。
「再生可能エネルギー」という言葉を、耳にする機会が増えましたね。
おさらいしておきましょう(^^)
再生可能エネルギーとは…
太陽光/風力/水力/バイオマス/地熱/海流など、自然の力を借りてつくるエネルギーのことです。
このうちバイオマス発電とは家畜の糞尿や食料廃棄物、木などの有機物を燃やして発電を行うことです。
水力発電とは、既にある川などの水の流れを利用して行う小/中規模のものと、ダムを建設して行う大規模のものがあります。
このうちバイオマス発電で木などを燃やすと温室効果ガスが発生するとされており、また水力も中/小規模のものでなく、大規模のものはダム建設は環境を破壊するとされているため、賛否が分かれやすい再生可能エネルギーではあります。
太陽の光や風、河川を流れる水などは、石炭、石油などの化石燃料とは違い、エネルギーを作るのに使ったところで、なくならない(再生する)ですよね?
だから「再生可能エネルギー」と言います(^^)
「別にいいだろ、減るもんじゃねぇし」っていうやつですね(笑)
この再生可能エネルギーは、火力発電(石炭/石油/ガス等)に比べて二酸化炭素の排出量が少ないとされている為、近年、世界的な注目を浴びています。
再生可能エネルギーは一昔前だと高いイメージがありましたが、各国が投資や技術革新を続けた結果、今や最も安い選択肢である事が多いと報道されています。
記事はコチラ ⇒ 気候危機9‐風力/太陽光などの「再生可能エネルギー」、今や「最も安い」選択肢に
その再生可能エネルギーが、国の電力の100%に到達する国が出てきています。
ポルトガル
- ポルトガルは比較的早い段階で、再生可能エネルギーへの投資を開始
- その努力が実を結び、2018年3月には再生可能エネルギーが、国の103.6%の電気を発電
- そのうち、55.5%を水力、40.2%を風力、残り(10%未満)を太陽光で発電
- またそれまでのポルトガルでの発電に比べ、2,100ユーロ(20~30億円)のコスト削減、180万トンのCO2削減に成功
- 火力発電に割いていた2,000万ユーロ(20~30億円)の補助金は廃止
ノルウェー
- ノルウェーは2018年、国の98%~100%の電力を再生可能エネルギーで発電
- うち96%が水力
- またこの国はグリーントランスポーテーションにも取り組んでおり、10年もしないうちに国の自動車はすべて電気自動車となる見込み
コスタリカ
- 2017年には1年のうち300日を再生可能エネルギーだけで発電
- 主に水力発電
- 2018年にはカルロス・アルバラド・ケサダ新大統領が、化石燃料を禁止
- コスタリカは「砂の上に城を立てるようなものだ」と周りに言われていた30年前から再生可能エネルギーに着目、それが正しかった事を証明する
僕も5月の中旬にコスタリカをお話会で訪問する予定ですが、この新大統領は再生可能エネルギーの他に軍事費を廃止し、福祉や教育にまわす事を決定。
本当に価値のあるものは?がわかっている大統領ですね(^^)
コスタリカを訪問した際に、できれば行政の方々に色々聞いてきてまたアップしますので、よければフォローしてください(記事はまだ続きます)♪
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またこれらの国々の他にも、アイスランドやパラグアイも100%再生可能エネルギーを達成し、オーストリアやブラジル、デンマークといった国々でも70~80%を達成しています。
再生可能エネルギーは不安定なので(例えば太陽光は曇りの日は夜間は発電が困難)、「補完的に」火力発電が必要という話をよく聞きます。
実際にこれらの国々のうち、水力等は再生可能エネルギーの中でも比較的安定した電力供給が可能なのを利用し、完全に再生可能エネルギーに移行できたのか、どの国も補完的に火力発電を利用しているのか、は引き続き調べていきます。
ただ、2018年の日本の火力発電の割合は約80%(77.9%)。ちなみに再生可能エネルギーは伸びてはきていますがまだ17.4%、賛否両論ある原発は4.7%でした。
火力発電が「補完的に」必要だ、という議論をするには、あまりにも早すぎる火力発電の割合のように見えます。再生可能エネルギーの割合の伸びしろはまだまだあるでしょう。
日本で再生可能エネルギーの話になると、すぐに「太陽光発電」の話をし出す人が多いですが、再生可能エネルギー発電の割合が多いこれらの国々の例を見ると、「水力発電」が大きなカギを握っているように見えます。
実際に2018年の日本での太陽光発電割合は6.5%、水力発電は7.8%と、大規模水力発電を含んでしまってはいるものの、日本でも水力発電の割合の方が多いです。
水力発電はその国の地理的な要因に左右される発電方法で、これができる国は恵まれています。
日本はというと、実は豊かな水量の河川と山地に恵まれており、かなり水力発電に適していると言えるでしょう。
最後になりますが、再生可能エネルギーの話をすると、太陽光のゴミ問題や、風力発電の騒音や乱気流の問題をあげる人が必ずと言っていいほどいます。
前提として、「完ペキな発電方法」は1つもありません。
なので、「どれがいいか?」よりもまずは「使う量を減らす」事が絶対的に優先です。
その上で、最も環境被害が「まだマシ」な発電方法は、再生可能エネルギーだというのが、世界中の科学者の多数派意見ですね(^^)