谷口たかひさです。
先週の月曜日、ヨーロッパのたくさんの国を襲った大型嵐で、飛行機や電車など、移動手段がマヒし、1日足止めを食いました(ドイツ/ヨーロッパで時速170kmの嵐 死者5名‐気候危機54)。
気を取り直して火曜日から、久しぶりに数々の国をまたぐ旅に出ています。
ドイツの「時間と共に価値が減るお金」が発行されている街で、運営主体にお会いして話を聞き、
オーストリア、チェコで別の用事を済ませ、
ポーランドを経て、スウェーデンにてグレタ・トゥーンベリさんとマーチを行った後は、
フィンランドで現地の方々に様々なインタビューをお行い、
今日、イギリスを経てドイツのおうちに帰るはずが…

…1週間もたってないのに、またもやイギリスを嵐が襲っています。
本日のフライトはすべてキャンセル。
空港は行き先を失った人たちであふれかえり…
5時間ほど、明日以降のフライトへ変更する為に立って並ばされた後、
結局、今日はもうフライト変更の手続すら取れないから、
明日またあらためてカウンターまで来てくれ、との事。
何人かの人が発狂して叫んだり、その人たちに対してまた叫び返す人がいたり…
物に当たる人がいたり、ついに殴り合いのケンカまで始まりました。

まさに地獄絵図(笑)
嵐だから、その航空会社の人たちに怒っても仕方ないのに…
日本だけでなく、もう現代の先進国と呼ばれる国の人たちは、みんな時間がなくて、心の余裕が無くなっているのでしょうか。
こんな状況で気候変動が進んで、より異常気象が続いたら、どれだけカオスな日々が待っているだろう…
とあらためて考えさせられる出来事でした。
確かにとてもストレスを感じる状況ではありますが、そういえばおかあさんが、
「困難を避けようとしても、生きてればどうせ困難は立ちはだかるから、困難が立ちはだかっても乗り越えられる強さを手に入れる方が幸せになれる」
という事をいつも言っていました。
成人するまでの大事な時間を、おそらく一番長く一緒に過ごす人が賢い人で、本当に恵まれていたなぁと思います。
そういえばドイツで僕のお話会を主催してくれた人が、
「あなたがどうこうより、あなたを育てたおかあさんに逢ってみたい」
と言ってくれて、自分をほめられるより嬉しかった事を覚えています。
さて、話が少しそれましたが、フィンランドでは、とても有意義な時間を過ごせました。
北欧といえば、海賊文化。ヴァイキング(海賊)という映画が僕は大好きです。
ちなみに、日本で食べ放題の事をバイキングと言いますが、これは帝国ホテルの支配人が、当時北欧を旅した時にこの食事形式を見て日本に持ち込み、それを北欧にちなんで名付けたと言われています。
北欧はそれぐらい海賊文化。
という事で、海賊レストランへ。


1人旅では、楽しい事をすればするほど虚しさがこみあげて来る事があります。
「天国に1人でいたら、それほど不幸な事は無い。」
っていうやつですね。
夜はお待ちかね、恒例の「現地の人に聞いてみた」シリーズです(今回が1回目ですが、レギュラー番組にしていこうと思います)。
前回、フィンランドの34歳、世界最年初女性首相について書きました(フィンランドの34歳女性首相「週休3日の1日6時間労働を目指す」)。
それだけでなくフィンランドと言えば、
投票率が高いだの、
福祉が充実していて教育費や医療費が無料だの、
宿題が無いのに子供の学力テストが世界1位だの、
幸福度ランキングで毎年世界トップクラスだの、
とにかく天国みたいな場所というイメージが強いです。
これらは本当なのか?
本当だとしたらなぜそんな事ができるのか?
スゴく気になったので、実際に人に聞いてみる事にしました。
色々なバーを周って、
今回は20代の女性2人、
30代の男性1人、
40代の女性2人、
50代の男性1人、
に話を聞く事ができました。
1.週休3日の1日6時間労働になる?
これは新首相がビジョンとして発言した事が、瞬く間に世界中で話題になりましたが、現地の人たちいわく、
「そうなったらそりゃ嬉しいけど、たぶんムリだと思う(笑)」
というのがほぼ全員の意見で、かなり意外でした。
ただ同時に、
「そういう方向性の人で良かった。少なくとも増やされる事はされずにすむから(笑)」
とも言っていました。これはスゴく大切な視点だと思います。
よく、
「選挙に行っても何も変わらないから」
という日本の人を見ますが、選挙に行かないと、変わらないどころか、
悪い方向に変えられます。
そしてドイツもそうですが、フィンランドはとても労働時間にシビアで、
現在質問した人たちは、1日7時間半労働だそうですが、
昔、経済発展の為、この1日の労働時間が延ばされた事があり、かなり議論になったそうです。
その延ばされた1日当たりの労働時間は…
6分。
何回か聞き返しました(笑)
1日6分労働時間を延ばされる事だけで本気で議論になるほど、労働時間に対して市民がシビアで、1日6分、週にして30分延びただけで、確かにGDPなどは伸びたそうです。
そういえば昔、日本にいたイギリスの人が、職場で残業を言い渡され、
「人権侵害だ」
と言って勝手に帰ったのを思い出しました(笑)
ちなみに日本の労働時間も聞かれたので答えると、見た事ない顔で驚いてました。
2.34歳女性首相については?
これはとにかく、まずは、
「年齢や性別は一切関係ない」
という意見が多かったです。
その上で、彼女は人としてとても尊敬されており、
また彼女以前の男性で比較的年輩の首相にスキャンダルが相次いだ反動も大きい、との事でした。
3.投票率が高いのはなぜ?
これもまた意外な答えで、「学校教育」とかだと思っていたのですが、
「毎回、第1政党が変わり、また第1政党によって政策や実際の暮らしも大きく変わるから、自分の1票に意義を感じる」
という答えが多かったです。
2党の一騎打ち、とかでもなく、5党が第1政党を取り合い、毎回どこになるかわからないのだとか。
日本がほぼずっと自民党政権なのも知っていて、
「それだと私も投票に行かないかも」
という答えでした。
4.宿題無しで子供の学力世界一?
フィンランドは学校で宿題は一切無く、また授業時間も少ないのに、
世界の子供学力テストでは世界1位、という話を聞いた事があります。
最初聞いた時衝撃を受けて、本当にスゴいと思ったので、それについて聞いてみると…
「宿題、普通にあるよ」
という回答でした。
海外の人がそのイメージを持っている事も理解しているけど、宿題は普通にある、という回答。
授業時間についても、聞くと日本の小学校と変わらない長さ。
じゃぁなんで子供学力テストで世界一位なのかを聞くと、公立の小学校でも、全員に対して同じスピードで進めるのではなく、その子のレベルに応じたサポートがあるので底上げになり、全体平均としての学力が上がるのだそう。
5.学校の先生の地位が高い?
また、私立というものはほとんどなく、公立でほぼすべて同じカリキュラムな事、
その代わりに、先生のレベルが高く、「未来をつくる」教育という仕事に携わる先生という職業は、みんなから尊敬され、給与も高く、優秀な人がつく職業である、という事も興味深かったです。
6. 教育/医療無償なのに少子化?
日本では、子どもの教育にかかるコストが高かったり、共働きで労働時間も長すぎるため、子供を作りたくても作れない、という話を聞いた事があります。
ただ、教育が無償で、その他福祉も充実しており、労働時間も短いフィンランドも少子化です。
不思議に思い、この理由を聞くと、
「医療が無償化されたから、逆に子供をつくって将来の面倒を子供に見てもらう必要がなくなったからつくらなくなった」
という答えが意外でした。
他には、
「今の時代は何でもできるし、どこでも行けて、多様な価値観や生き方の中で、自分の人生を楽しむために、むしろ子供がいない方が良いと考える人が増えた。あなたもだから子供をつくらないんでしょう?」
という答えもありました(ほんまにほっといてくれ(笑)切実に欲しいっちゅうねん(笑))。
7.幸福度が世界1位なのはなぜ?
これも福祉が充実していて、なに不自由なく不安なく生きる事ができるからじゃないか、という答えが多かったです。
あと、北欧は冬場は太陽が上がらない事が多く、動物としての性質的に鬱になる人、自殺する人が増え、自殺率で言うと実は高いため、
「不幸な人は全員自殺するから、幸せな人が残りで、だから幸福度が高い」
というブラックジョークも飛び出ました(笑えない)。
8.気候変動について
これはやはり最重要課題で、再エネの推進などにより対応していくべきだ、というのが大多数の回答で、ヴィーガンになる人も劇的に増えているそうです。
9.英語力について
フィンランドをはじめとする北欧の国では、英語がネイティブレベルに話せる人もすくなくないです。
この理由を聞いてみると、
「小さな国で、自国のテレビ番組がそれほどないので、テレビで海外の英語の番組を見ているから」
だそう。その発想はなかった…。
※これらは、大手メディアや専門家へのインタビュー、また大勢を対象にした調査とかではなく、現地で出会ったフィンランド出身の人たちへ質問に対する回答で、それ以上でもそれ以下でもない事をご理解ください。
いや~、やっぱり実際に現地の人に聞いてみるもんですね。
自分が知っていたつもりの事や、予想していた事とは大きく異なったり、
逆に全く一緒で本当にスゴいなと思わされたり、
思わぬ補足情報が出てきたり…
すんごい楽しかったです(笑)
あとこれは余談ですが、僕たち『地球を守ろう』の活動の話もする中で、かなりみんな興味を持ってくれて、
なんと話を聞いた人のうちの1人、20代の女性が、8月1日に行う東京オリンピックマーチに来てくれる事に(笑)目の前で航空券取ってくれた(笑)みなさんも是非(^^)

「現地の人に聞いてみた」、めでたくシリーズ化しようと思いますので、是非フォローしてください(^^)次回はおそらく、イギリスで現地の人に聞く、『EUを離脱した事について』(^^)
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