各国でバッタが大量発生 中国はアヒルで対策 気候変動が影響 「人道的危機」と国連が警告‐気候危機59

 

谷口たかひさです。

 

今日はルクセンブルクという国に来ています。

違う国ではありますが、ドイツの僕の住んでいる場所から、電車で4時間もかからず来れました(笑)

 

 

この辺が島国で育った僕からするとうらやしましいところです…。

重工業と金融業がさかん(約5人に1人が金融業)で、1人当たりGDPが世界一のこの国が、世界で初めて電車やバスを無料化したと聞きましたので、それ自体や、それが気候変動に及ぼす影響について確認しに来ています。

また、「現地の人に聞いてみたシリーズ」書きますね(^^)

 

 

 

さて、コロナウィルスが世界中を騒がせていますが、非常事態はそれだけではありません。

アフリカ(ケニア、ソマリア、ウガンダなど)、中東(サウジアラビア、バーレーンなど)、アジア(インド、パキスタンなど)でサバクバッタが大量発生しています。

「昼が一瞬にして夜になった」と感じられるほどの大群だと報じられています。

 

動画をご覧になられたい方は、リンク先に動画があります ⇒ MailOnline

引用元:MailOnline

 

サバクバッタは体が大きく、移動距離も速度も大きいため、大きな蝗害( 読み方:こうがい‐一部のバッタ類の大量発生による災害のこと )を起こしやすいバッタです。

 

今年(2020年)のはじめから、アフリカ東部の国々はサバクバッタの大群と戦っており、その大群は今や中東、アジアにまで拡がり、大量の農作物を食べています。

この状況に、食糧の保全と人の暮らしに極度の脅威であり、「人道的危機」である、と国連が警告を出しています。

 

image
引用元:UN environment programme

 

ケニアは最も被害が大きい国で、2000億匹に及ぶ(どうやって数えたのかスゴく気になります)サバクバッタが牧草地や農作物を襲っています。

被害を受けた面積は東京ドーム50,000個分以上にのぼり、失われた食糧は84,000,000人分にのぼる可能性があると報じられています。

 

ソマリア政府は先月(2020年2月)、非常事態を宣言。

パキスタンも、トマトや麦、綿作物が被害を受け、食べものの値段が急上昇し、首相が国家としての非常事態を宣言。

インドでも東京ドーム2,300個分に渡る広さで農作物が被害を受けています。

 

中国はこの被害に対し、隣の国であるパキスタンに、100,000羽のアヒルを放ちうる事が報じられています。

 

Ducks at a poultry wholesale market February 26, 2006 in Nanjing, Jiangsu Province, China
引用元:BBC

 

現在、この被害に対して、農薬を散布する事で対応している国々もありますが、1羽のアヒルは1日に200匹のサバクバッタを食べる為、農薬より効果的でありうると専門家は言います。

中国はこの方法をまずは新疆ウイグル自治区で試し、その後パキスタンに広げる方向です。

 

 

サバクバッタは1日に150kmを移動すると言われており、この被害は拡大していく可能性があると言われています。

専門家は、この大量発生を食い止められなかった場合、その数は6月までに500倍に増えると警告しています。

 

 

このサバクバッタの大量発生ですが、国連は「気候変動」が影響しているとしています。

 

引用元:UN environment programme

 

産業革命後、最も暑かった年はここ5年に集中しています。

暑い気候は、サバクバッタの被害を拡大する事が研究でわかっています。

さらに、湿度の上昇はサバクバッタの急増を促進するそうです。

 

2019年10月~12月、アフリカの角(アフリカ大陸東端のソマリア全域とエチオピアの一部などを占める半島)に降った雨の量は、例年の400%だったそうです。

これは、気候変動によってダイポールモード現象(※)が強くなった為と国連は発表しています。

※ ダイポールモード現象…インド洋熱帯域において初夏から晩秋にかけて東部で海水温が低くなり、西部で海水温が高くなる大気海洋現象の事。

 

 

気候変動、本当に一刻の猶予もありません。

 

 

なぜこれほどの事態があまり報道されないのか不思議ではありますが、引き続き追って発信していきます。

 

こういう事態は、起きた後にこれは気候変動が影響しているという事はできるかも知れませんが、

事前に、気候変動によってこんな事になる予測できた人はほとんどいないのではないでしょうか。

オーストラリアの火災も、あそこまでになると予測できていた人はほとんどいないと思います。

 

現在この事態に緊急対策として行われている、多量の農薬をまき散らす事や、多数のアヒルを放つ事の今後の生態系への影響や、人の健康への影響も、予測は難しいと思います。

 

自然を人間がコントロールできるわけもなく、なんとか共存していく他ないかと。

 

緊急対策も必要ですが、今私たちに本当に求められているのは、根本対策です。

 

 

他の国がどうとか、政府とか企業とかメディアがどうとか、他の人がどうとか、そういう事を言うのは簡単ですが、そんな事を言っても何も変わらないですし、世界は私たち1人ひとりの総意でできています。

 

問題に対して、自分はどうありたいか?

 

結局はそれに尽きると僕は思います。

それは問題の大小に関わらず、いつでも自分の意志で選ぶ事ができるのです。

 

問題そのものは問題ではなく、問題なのは、その問題に対する自分の態度です。

 

この星が直面している最大の脅威は、気候変動などではなく、「他の誰か」がこの星を守ってくれるという思い込みです。

守れるのはあなたしかいません。

 

「今これを読んでくれているあなたが、この地球の最後にして最高の希望です」

「私たちが気候変動の影響を受ける最初の世代で、食い止める事のできる最後の世代です」

 

言い訳をせずに、議論ばっかりする口だけの大人にならずに、行動をして、悔いのないように、でも楽しく、本気の大人のカッコいい背中を一緒に見せていけたらなと思ってます(^^)

 

 

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【この記事の引用元】

UN environment programme: Locust swarms and climate change (https://www.unenvironment.org/news-and-stories/story/locust-swarms-and-climate-change)

BBC: China may send ducks to battle Pakistan’s locust swarms (https://www.bbc.com/news/world-asia-china-51658145)

MailOnline: Huge swarm of locusts brings traffic to a standstill in Bahrain after spreading across Saudi Arabia because of strong winds (https://www.dailymail.co.uk/news/article-8029555/Huge-swarm-locusts-brings-traffic-standstill-Bahrain-Saudi-Arabia.html)

AP: East Africa’s huge locust outbreak now spreads to Congo (https://apnews.com/a25d1c7daf6cf460d361255672e91f12)

NIKKEI ASIAN REVIEW: Tropical American pest devours corn fields across Asia (https://asia.nikkei.com/Spotlight/Society/Locust-swarms-form-dark-clouds-over-South-Asia-food-security)

 

 

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