『ルクセンブルクが公共交通機関を無料化した理由』現地の人に聞いてみたシリーズ3

 

谷口たかひさです。

 

3月8日より、ドイツから日本に来て、日本で活動してますが、日本に来る2日前は、ルクセンブルクという国にいました。

 

この国の存在は意外と知っている人が日本では少ないみたいで、「国じゃなくて街だと思ってた」という話も聞きますが、確かに街でもおかしくないくらい、小さな国です。

 

ルクセンブルクと周辺国の地図
引用元:ZenTech

 

神奈川県ほどの大きさに、住民は60万人ほど。

 

日本ではその存在すら知らない人も多いと書きましたが、実はこの国…

重工業と金融業がさかんな国で、その金融業に従事している人が引き上げている事もあり、

 

1人当たりGDP(名目)は、世界1位。

 

ちなみに日本は、世界26位です。

 

アメリカドルにして、ルクセンブルクの1人当たりGDP(名目)は115,536ドル(約1,200万円)にのぼり、これは日本39,304ドル(約400万円)と比べて、約3倍近いです。
※上記は2018年のデータ

 

 

そんなルクセンブルクはつい最近(2020年2月29日)、国の電車/トラム(路面電車)/バスの料金をすべて無料化しました。

この理由を今回は、現地の人に聞いてまわることにしました(ご好評を頂いている、現地の人に聞いてみたシリーズ第3弾です^^)。

 

老若男女、約10人に聞いてみた結果、返ってきた答えはすべて同じものでした。

 

 

 

I don’t know.
(知らん。)

 

 

 

…マジっすか??

それ、ブログ書く側としては結構困るんですけど(笑)

というか、「気候変動」の話をして世界中をまわらせてもらっている身としては、「気候変動対策!」みたいな答えがだったらめっちゃ嬉しかったんですけど(笑)

 

というよこしまな考えが一瞬頭をよぎりましたが、これはこれで事実というか、貴重な情報なんですね(^^)

 

 

それでは、メディア/政府の発表を見てみましょう。

 

 

60万人しか住民のいないルクセンブルクですが、さらに20万人以上が毎日、陸続きで隣り合うドイツ/ベルギー/フランスという国から通勤で入ってくるそうです。

これらの人々の大半は車通勤である事から、毎日スゴい渋滞が発生するとのこと。

また、ルクセンブルクの温室効果ガス排出量の半分以上は、交通から発生しているそうです。

 

今回の無料化の主な理由は交通渋滞の緩和だと、ルクセンブルクの国土交通省大臣、フランソワ・バウシュ氏は言います。

しかし、副の理由として、環境問題への対策や、低所得者へのサポートをあげています。

 

車に乗る人が減れば、おのずと大気汚染や、温室効果ガスの排出量は減ります

また、年間440ユーロ(約6万円)かかっていた公共交通機関の年間パスが無料になる事は、低所得者層にとって、非常に大きい事だと言います。

 

 

今回の事で、僕は大きく2つ学べました。

 

 

1つ目は、現行のもの(この場合、車)を否定(禁止)するのではなく、その対抗馬(この場合、公共交通機関)を魅力的にするという手段で、これは素敵だなと思いました。

思えば、ポルトガルは再生可能エネルギー100%を達成しましたが、その理由を現地で聞いてまわった時も、「家の電気をそっち(再エネ)に切り替えた方が単に安いから」という理由が多かったです。

 

今回のケースとは少し異なるかも知れませんが、僕の好きな引用に、こんな言葉があります。

 

“You never change things by fighting the existing reality.
To change something, build a new model that makes the existing model obsolete.”

(既存の現実と戦うことでは物事は絶対に変えられない。何かを変えたければ、既存のモデルを時代遅れにする新しいモデルをつくるんだ。)

バックミンスター・フラー(アメリカの思想家/デザイナー/構造家/建築家/発明家/詩人)~

 

 

2つ目は、国民の人たちが、今回の仕組みの変化について、その理由を知らなかったという事実です。

 

あくまで僕が今回話を聞いた人たちに限っては、ですが、その理由を知っている人はいませんでした。

でも、「車に乗る事は減りましたか?」という質問に対しては、「そりゃそうに決まってるよ。だって、タダなんだよ?」という答えが返ってきました。

 

お話をさせてもらいながら周っていると、「仕組みを変えないとダメだよ。」というご意見を頂きます。

僕はこれは、鶏が先か卵が先かの話というか、分業というか、両輪というか、とにかく「人の意識」と「仕組み」はどちらか一方だけではなく、両方大切だと思っています。

 

人の意識によって仕組みが変わる事もあれば、仕組みによって人の意識が変わったり…

人の意識が伴わない仕組みは長続きしなかったり、逆も然りだったり…

 

でも今回のケースみたいに、人に理由を意識させずに、結果として目的は達成されていく、みたいな場合もあるんだな、という事は大きな学びでした(それでも僕個人は人の意識に注力したい事は変わらないですが)。

 

現地の人に聞いてみたシリーズ、次回は軍事費を廃止し、教育や福祉にまわし、また再生可能エネルギー100%を達成した、コスタリカの話を書く予定です(^^)

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【引用元】

REUTERS: Luxembourg becomes first country to make public transport free (https://www.reuters.com/article/us-luxembourg-politics-transportation/luxembourg-becomes-first-country-to-make-public-transport-free-idUSKBN20N0RX)

世界の1人当たり名目GDP 国別ランキング・推移(IMF)(https://www.globalnote.jp/post-1339.html)

 

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