『気候危機と希望 ~自由と権利~』のお話会で世界中を周らせてもらうようになって、
日本ツアーは、はや半年やらせてもらいました。
今日のお話会で270回目になりますので、年間500回を超えるペースでお話会をさせて頂いております(^^)
ツアー中は移動と講演と懇親会に時間を使う事にかまけてブログの更新が滞っていた事を、この報道の子どもたちの行動力を見て反省しました。
気候危機は夏休みには入ってくれないので、僕も休まず動き続けます。
ポルトガルの6人の若き活動家たちが、フランスにある「欧州人権裁判所」で訴訟を起こした事が昨日(2020年9月3日)、世界中で大きく報道されました。
内容は「私たち子どもの、将来の肉体的、および精神的健康が守られるため、より野心的な温室効果ガス削減を要求する。」というものです。
彼ら(彼女ら)は、この訴訟にかかる費用をクラウドファンディングによって集めました。
この訴訟は、該当する33ヵ国の、その国境内における排出だけではなく、それらの国々の消費者や企業が国外で行う貿易や化石燃料の抽出、アウトソーシング(外部委託)にまで及びます。
この訴訟を起こした4人の子どもと2人の若者は、欧州人権裁判所にこれらの33ヵ国に対して「法的拘束力のある命令」が発せられる事を求めており、
これらの33ヵ国の中には、EU、イギリス、ノルウェー、ロシア、トルコ、スイス、ウクライナなどが含まれています。
この訴訟のきっかけは少し前の話にさかのぼり、この訴訟を起こした子どもと若者のうち、
4人はレイリア‐2017年に120人以上の人を殺した森林火災の影響を最も受けた場所の1つ‐の出身で、残りの2人はリスボン‐2018年に気温44℃を記録した場所‐の出身で、
今年の7月が、90年来の記録となる最も気温の高い月となった事で、今回の訴訟に至ったといいます。
専門家の証言は、こういった出来事は今後増々、悪化の一路を辿る事を警告しています。
現在の、産業革命前に比べて地球の温度上昇が3℃を迎えてしまう(現在までで約1℃上昇)という状況の中では、熱波で死ぬ人の数は西欧だけで30倍になると予測されています。
このままではこの気温上昇が3℃どころか、4℃に達するという事もありえる状況で、そうなると40℃を超える熱波が年に30日以上発生し、森林火災のリスクを4倍に高めると予測されています。
この訴訟を出した若者の1人、カタリナ・モタ(20)は言います。
「私は自分の将来が怖いです。最近ではもう、屋外で運動する事は不可能になっています。これが数日の事ならともかく、熱波は極端かつ繰り返し起きています。年々、自分の家にはもう住めなくなる感覚があり、とても怖いです。」

ソフィア・オリベイラ(15)は言います。
「私の世代は、私たちに迫っているこの危険に対して非常に関心が高いです。私たちは経験しました。耐えようのない熱波や、それに伴う断水、食糧生産への被害、私たちを不安でたまらなくして、森を横切る事すら怖くさせた森林火災を…。2020年でこの状態です。このままいくと、私たちの将来を待っているものは何だと思いますか?」

彼女は、EUは2030年までに最低でも65%の温室効果ガス削減をコミットし、化石燃料でなく再生可能エネルギーやクリーン技術に投資する事によるコロナ危機からのグリーン回復を確実なものにしなければならないと言います。
彼ら(彼女ら)の代理人をつとめるのは、
環境および気候変動法を専門に扱う『Marc Willers QC』を含むイギリスの弁護士軍団で、
イギリスとダブリンを本拠地とするNGOで、今回の訴訟のために約400万円を集めた『Global Legal Action Network (Glan)』もサポートに入っています。
気候に関する訴訟は1990年からこれまでに1300回以上行われています。
最も成功したと言われているものはオランダでウルジェンダ財団が起こしたもので、政府に石炭発電所の縮小と、
約4,000億円の価値があるとされる、他のコンプライアンス対策を講じる事を余儀なくさせたものです。
『Global Legal Action Network (Glan)』 の法務官であるジェリー・リストンは言います。
「この訴訟はその規模において他に類を見ない。これほどの数の国が法廷に呼ばれた事はかつてない。これに我々が勝訴できた暁には、ヨーロッパ中に甚大な影響を及ぼすに違いない。」
国連の特別報告官であるフィリップ・アルストンは昨年、「気候変動によって、人権は終焉を迎えてしまう可能性がある」と警告を出した。
このNGOのディレクター、Gearóid Ó Cuinnは、この訴訟が若き活動家たちの活動への追い風になれば、と次のように話す。
「この訴訟はこれまでの若き活動家たちの活動の集大成だ。彼ら(彼女ら)は今や、裁判所にステップアップする事を求めている。この訴訟は、我々人類を乗せた船が破滅へのコースを外れる事ができる最後のチャンスだ。」
「最前線に立って攻撃を受けながら、リスクを背負って戦っているのは、子どもたちなんだ。最悪の状況だ。緊急性を考慮して、私たちはこの訴訟の優先順位を最高のものとする。」
ここまでが報道されている内容になります。
子どもが一切の言いわけを排除して、ここまで行動を起こしているのに、見て見ぬふりをする、カッコ悪い大人にだけは僕はなりなくない、と切に思い、あらためて覚悟を決めました。
“If you’re not a part of the solution, you are a part of the problem.”
残念ながら、問題というものが存在する以上、
あなたが「解決」の一部で無いなら、あなたは「問題」の一部なんです。
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【この記事の引用元】
世界中を周って「気候危機と希望 ~自由と権利~」のお話会をさせて頂いてますので、
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