谷口たかひさです。
現在、『気候危機と希望 ~自由と権利~』の講演で日本ツアーを行っております。
10月上旬~11月上旬には、大統領選挙に向けてアメリカツアーを行う予定でしたが、ここ数日現地の関係者の方々と話合いを行った結果、再度延期する形になりました。
その為、年内は日本ツアーを継続させて頂きます(^^)
既にキャンセル待ち頂いていた方々を優先させては頂きますが、その期間はまだ予定が大きく空いておりますので、引き続きお早めにどしどしお呼びください♪
「気候変動」の講演だけではなく、今だからこそ知って欲しい、イギリスやドイツで学んだ「メディアリテラシー」の講演も行っております♪
さて、アメリカツアーが再度延期になった理由ですが、コロナというのもなくはないですが、火災でとにかくそれどころではない、という状況です。
今回は現在アメリカで起きている、過去最悪の火災について書きたいと思います。

今月に入ってからアメリカの西側を中心に猛威をふるい続けている火災の、2020年9月15日現在までの要約は以下です。

- 87の大規模火災
- 10の州で発生(アメリカは50の州で構成)
- これまでに約19,000㎢の面積が焼失
- 東京都の面積は約2,200㎢なので、東京都約9個分が焼失
- これまでに少なくとも35人の死亡が確認
- 内、カリフォルニア州24人、オレゴン州10人、ワシントン州子ども1人
- 近い内に状況が良くなる見込みは無し

カリフォルニア州知事であるギャビン・ニューサム氏と、ロサンゼルス市長であるエリック・ガーセッティ市長が、この大規模火災の原因は気候変動だと発表。

ワシントン州知事のジェイ・インスレ―市も、昨日に「公開状」を出し、トランプ大統領を痛烈に批判。
「あなたが気候変動に対策を取る事を拒んで来た事‐
それどころか、より温室効果ガスの排出量が増加する政策をとってきた事‐
それが、あなたが今目の前にしている、この壊滅的な火災を加速させていく。」
トランプ大統領は、この火災が起きているいくつかの州を訪問しながら、気候変動との関連については言及せず、「すぐに涼しくなる」、「まあ見ておけ」と発言。
知事はこれにも以下のように反論。
「それはウソだ。そのリーダーシップの放棄が、これらの州にこの生存の危機に対して国家の後ろ盾なしに単独で立ち向かう事を余儀なくさせているのだ。‐
気候変動は、我々のコミュニティに、誰が考えよりも早く大きくダメージを与えている。」

増えて行っているのは死者数だけではなく、行方不明者数も増加の一路。

アメリカはこの状況を受け、いくつかの州で郵便サービスを停止。

下の写真は数日前に現地の方が、自分の家の窓から「昼12時」に撮ったもの。

「起きた時には既に火の手が周っていて周りが見えず、家を出る事はおろか、窓も開ける事ができない状態が続いており、いつ家の食糧が尽きるか、はたまたこの家に火の手が周るか、怖くて仕方ない…。」

オレゴン州で命からがら避難した人は、メディアの取材に対してこう言いました。
「私はすべてを失った…。すべてを。」

去年僕が訪れた、チェルノブイリ原発事故現場を思い出す風景です。
「消せないんですか?」
という質問をよく頂きますが、考えてみてください。
マンションが1つ火災になっただけでも、消防車が何台も出動する大騒ぎになりますよね。
東京都1個、丸々火災になったらどうでしょうか。
それが9個分です。
消せるわけがありません。
ここで、僕が住んでいるドイツで、第二次世界大戦の時、
ヒトラー率いるナチに迫害されたニーメラーさんという教会の牧師さんが、
ご自身の経験から私たちに遺してくれた警句を紹介させて頂きます。
ナチが共産主義者を襲つたとき、自分はやや不安になった。
けれども結局自分は共産主義者でなかったので、
何もしなかった。
それからナチは社会主義者を攻撃した。自分の不安はやや増大した。
けれども自分は依然として社会主義者ではなかった。
そこでやはり何もしなかった。
それから学校が、新聞が、ユダヤ人が、
というふうに次々と攻撃の手が加わり、
そのたびに自分の不安は増したが、
なおも何事も行わなかった。
さてそれからナチは教会を攻撃した。
そうして自分はまさに教会の人間であった。
そこで自分は何事かをした。
しかしそのときにはすでに手遅れであった。
この人が、後を生きる私たちに、自分の経験から伝えたかった事…
「自分の番」が来た時には、とっくに手遅れなんです。
今回被害にあったアメリカの方々自身も、
世界中の科学者も政治家も経営者もメディアも、
こうなると予想できた人はゼロに等しいです。
社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語で、
「正常性バイアス」というものがあります。
これは、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のことです。
気候危機では、これが働いている人がほとんどのように思えます。
ですが、冷静に考えてみてください。
気候危機に関して、「自分の番」が来ない理由が果たして本当にあるでしょうか。
気候危機には、もう一刻の猶予もありませんが、今ならまだ間に合います。
これらは人災であり、私たち1人ひとりの日々の何気ない選択の結果起きています。
という事は、私たち1人ひとりの日々の選択を見直す事で、変える事ができるのです。
あなたの選択と行動が希望です。
『私たちが気候変動の影響を受ける最初の世代で、阻止できる最後の世代です。』
世界中を講演して周りながら、海外/英語でしか得にくい情報を日本語でかみくだいて発信してますので、よければインスタグラム等フォローしてください(インスタグラムでは色々な人とのライブ配信もよく行います)♪
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【引用元】
<https://edition.cnn.com/us/live-news/west-coast-wildfires-09-14-2020/index.html>
<https://www.foxnews.com/us/wildfires-west-coast-fire-oregon-california-washington-evacucation-damage-devestation-fire-weather>
<https://www.theguardian.com/world/2020/sep/13/us-west-coast-choked-by-smoke-as-firefighters-tackle-deadly-wildfires>
<https://abcnews.go.com/US/500000-evacuate-wildfires-oregon-death-toll-climbs/story?id=72944928>
<https://www.post-gazette.com/news/nation/2020/09/12/Better-weather-aids-battle-against-deadly-Western-wildfires/stories/202009120074>
世界中を周って「気候危機と希望 ~自由と権利~」のお話会をさせて頂いてますので、
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